I and 愛

全てがチグハグでガチャガチャ!こんなに希望を持った人格で、絶望を抱えながら生きていかないとならない俺の業。30年以上生きてて俺の人生を支えているのは、10代の頃、10年以上好きだった女の子の「あなたの愚かさを愛してあげられるのは私だけだよ」という言葉。その子はそんなこと言ったことも覚えてないだろうけど。こんなに俺を理解している言葉はないと思ったんだ、あの日も雪の降る夜だった。今おれの目の前でも雪が降っている。俺の才能は悲しみに温度を感じられること。他人の悲しみに敏感でいられること。けっこう優しいんだけどな、俺って。

その子は俺と一文字違いの人と結婚して、俺と同じ苗字になった。この話を他人にすると「つらいね」って言われるんだけど、そういうつもりで話したわけじゃない。そういう話を笑いながら俺に言ってくれる、その人の愛らしさの話なんだ。おれの愚直さが、少しの温度を残せた話なんだ。

愚かにしか生きられない。本当に。いつだって、真面目で、正直にしか生きられなくて、「嘘ではない」が上手になっていくけれど、本質は何も変わっていない。俺はいつだって正直なだけなんだ。好きな人やものが、ただ大好きなだけ。おれにとって好きというのは魂が惹かれることと、何かを選ぶこと。生き方に正解があるかはわからないけれど、それは決めの問題だと思う。おれはそうやって生きていくしかないように仕上がってしまった。

助けてくれとはいつも思っている。祝福がおれにありますように。誰も祈ってくれずとも。生きていくということは、何を考え詰めても、孤独であるという結論に行き着く。

そして俺は、孤独を愛する練習をする。