逆光

仕事を休んで1ヶ月と半分が経ったが、この期間かなりおれらしく精神が活動している感じがする。数年働いて仕事を辞めて少し休み、数年働いて仕事を辞めて少し休み、を繰り返して20代が過ぎたが、おれがおれで居られる瞬間って、仕事に就いている合間のなんとか掴み取った一握りの時間しかないのかと思うと、生きてるってことについてかなり色々と思う。

イントゥ・ザ・ワイルド』という映画を友人に勧められて視聴した。観終わった直後はそこまでの衝撃は無かったものの、しばらく経ったが何度も思い返し反芻する。人が人らしく生きるために足掻き自由を手にしようとする若者の映画。実話を元に制作されたらしい。カメラという第三者視点から映された画面上の彼は少し愚かにも見えたが、映画的誇張のない愚かさとも呼べるかもしれない(もちろん映画なので演出性はある)。おれも生きている。おれをカメラに映したらもしかしたらかなり愚かかも。生きて死ぬ。でも生きるって何か答えられる人はいない、だってまだ終わってないし。答えを求めるのが生きることだなんて詭弁を述べる人のことも信用できない。じゃあおれはただ生きるしかないな。映画を勧めてくれた友人をとても愛している。

ところで別の友達から借りた本に好きな一節があった。「憂鬱は凪いだ熱情に他ならない」アンドレ・ジイドの「地上の糧」という作品の一節らしい。かなり良い。なんか昔「感傷に意味ない」みたいな言葉を言われたことがあるんだけど、なんで俺から生まれたもの全部に意味ないといけないんだよって思ったな。前向きってこういうことだと思うな、悪い(とされてる)ことを無くすことじゃ決してないと思う。

年末、休職しているためあまり年末感はないが、昨日は好きな友達と沢山会えて嬉しかった。人を愛することはかなり得意だと思う。一度好きになった人をおれから嫌いになることって本当にかなり無いから、どんな時でも世界で一人は好きだぜって友達にはよく思う。

ああ、そういえばけっこう気に入ってた人がかなり嫌になった出来事が今年はあったな。めちゃくちゃ明確に色々な被害を受けたので、まあそれはかなりレアケース、というか初めてかも。人って良いとこも最悪なとこもあるなって改めて思った。嫌な気持ちとは別に、それを面白いなと思えるおれは人間に向いてると思う。ライオンとかだったらおしまいだった。

ライオンとかだったら、おしまいだったなあ。

 

明日はいちばん酒が美味い友達と酒を飲むつもり。嬉しいな〜。