散策

上京してしばらく(しばらくどころではない)経つが未だずっと浮かれている。であるが、最近やはり本質的には暗く、ひとりでいることに安心する生き物なのであるということが身に染みている。暮らしに前向きな人たちの暮らしぶりを見ると、なんというかおれに世界を愛する度量はないなあと思う。おれには人間愛しかない。ジャングル生まれじゃなくてよかった。

人間愛しかない生き物なのに他人と過ごすことがめっぽう苦手なため、おれはどこから来てどこへ行くのかという気持ちで人生をやっている。得意なこととやりたいことと性質と、全てがチグハグで、神のイタズラで生まれたオモチャのような気分になることがままある。流石に30年以上人生をやっていると、自分のつまらなさや愚かさもわかってくる。逆もまた然り。

朝型なのに夜更かしが好きな時点でかなり損してる。ポテンシャル発揮ならず。

酒ばかり飲んでいたら顔色が悪いと言われる。薄々勘付いてはいたが、ここ最近の酒量の増加は精神衛生的なものだったのかもしれないな。

理解者が欲しい。わかってくれる人が欲しい。まさか思春期から幾星霜、一周回って思春期のような気持ちになるとは思っていなかった。電池が切れるまで走るだけの人生に愛着が湧いてきたが、ひとりで死んでいく終末への恐怖は未だ健在だ。廃墟になれるならまだいい、本当に怖いのはこのまま野垂れ死ぬこと。迫っている感じがする。これは後ろめたいとかでなく、単に事実として。死がおれを探している。