祈りなんてもうマジでしゃらくさい

隣人が亡くなっていたらしい。ここ1週間の廊下に漂う異臭の原因が判明した。物理的な死のあまりのデカさに面食らって目が覚めたような感覚。死ってなんかマジで普通にありふれている。

だって、おれ、死体のすぐ横でご飯を食べたり、眠ったり、泣いたり喚いたり、死にたいとか言って机を蹴飛ばしたりしていた。

死臭がどんな匂いなのかを知った。落ち着いた生ゴミのような匂い。刺すようなものではなく、ベタっと奥に残るような匂い。

なんかマジで意味がわからない。明日は我が身、30年くらいしたらおれもそうなる可能性がある。

祈りだとか儚さだとかマジで無力。純粋もなんかグロいし、おれの愚かさを面白がって笑って愛してたやつらはみんな消えてった。

足がかぶれて血が出ている。おれは血の詰まった袋であることを思った。いつかきっと死体になった時、おれは何を思う。というかなんかもう全部永遠じゃない。さいあく。おれは怒っているのかもしれない。楽しい瞬間を瞬間だと認識できないために、酒が必要だ。おれは怒っている。永遠であってほしいこと全てが永遠でないことを。