鉛筆

目を閉じると死と呼んでよさそうな無が三点倒立している。うっすらと膜が張ったような憂鬱が身を纏い、何も手に付かずスマホゲーばかりやってるから酒を流し込んだ。不安と孤独をアルコールで誤魔化す、とよく言うが実際にはまぎれることはなく、重たい身体に詰まった重たい精神をもって、今これを打ち込んでいる。やるべきだと思うことをメモして壁に貼った。進捗はいまいち。連絡をくれなくなった友達、因果応報という言葉が頭をよぎる。哲学でもないナイーヴさなんて最悪。映画好きな友達がLINEを教えてくれた日のことは一生覚えてると思う。手の甲には15年前に刺した鉛筆の痕がまだ残ってる。終わったことがついてくる。終わったことがついてくる。おれにできることはない。おれにできることはある。おれにできることはない。おれにできること。