千遠

毎日書こうかな、そう宣言しておけば毎日書けるんじゃないか。めんどくさいものほどやっぱり重要で、めんどくさいなあと思いながら重たい腰を上げておこなったことはだいたい気持ちのよいことだ。やりたいこと、というものについて考える。やりたいことだけやればいい、それはわかるけどやりたいことがあるってもう特別なことだとおもうよ。わたしは別に音楽も演劇も文筆も読書も勉強もやりたくなかった。正確には興味があった、でもめんどくさかった。心の底から意欲が噴き出し、やらずにはいられない、そんな気持ちでできるものなんかゲームとか、睡眠とか、食事とか、◯◯◯とか×××とか△△△とか、まあ、そんな取るに足らない消費活動しかない。わたしにとっての美しい気持ちのいいと思えるたいていの人間活動は、面倒くさいのほうが明らかに、圧倒的に強い。ではその面倒くさいものごとについて、わたしはやってきてよかったと思う。そうして形成されたわたしという存在をもって、沢山の出会いや関わりや繋がりが生まれた。血肉となっている。呼吸をしている。この足であなたに会いに行く。この手で言葉を紡ぎ、この喉で声を発し、この身体で歌を唄う。なりたい自分になるというのはなりたくない自分を潰していくことでもある。努力したりしたい。