彗星

くるまる毛布のぬくもりは私自身だからもっとも孤独に近い優しさであり熱である。静寂の夜に目を閉じて潜る心の海、孤高のみ、連れてけるものは何も無い。耳を澄ませて静けさの中に眠る豪雨のような沈黙に気付く、ああ解像度。ぼくの解像度はどこへ行ってしまったのか。日に日に第三世代になっていく皮膚肉蜜、リンクするけどレイヤー違いの空海宇宙、あなたの宇宙の光は何億光年先からやってきたものなのだろう。遠かったでしょう、闇はバームクーヘンみたいに分厚いものね。その光つまり熱線がぼくの輪郭を鶏そぼろのように破壊していく、ひとつになるってこういうこと?ああ、ひとつになるってひとりになるってことだったんだ。それはとても寒くて寂しくて、結局最初からぼくたちはひとりだったんだね。塵になったぼくは宇宙を回遊。でももう寂しくない、みんなおなじだってことがわかったから。目が醒めると今日の自分の肉体に容れられていた。昨日のことも今日のことも明日のこともわからん身体でまた別の宇宙を求めて旅に行く。何億光年先のあなたと、いつか交わることを願って。