羽虫

飛んで火に入る夏の虫、光を求める羽虫を人は笑うが、我々と果たして何が違うのだろうか。光を求めている。美しさって何?俺が俺を本当に大切にするためには、失うものがあまりに大きすぎるかもしれない。お別れをするのが最も苦手な俺は、ジョゼやスプモーニを思い出す。よくぞ生きることを選んだ。きちんと笑ったり、きちんと泣いたりした方がいいのだろうか。直感で選んだことは正しい、悩んで出した答えとそう変わらないとユウスケアシナも言っていた。全てを切り捨てていくのが最短の人生なのかもしれない。俺はあと何を失えば、心が許されるのだろうか。