スプモーニと夏

顔を上げると紫の雲が空にその色を滲ませていた、自分の作った曲を聴きながら作った時のことを思い出していた。爛れた僕らは白痴のまま世界が終わっても、それでいいんだよ。君の愛の色は強い赤。熱くて眩しいそれは、ぼくが飲み干すには祝祭的すぎた。近くにいるのに、触れているのに並び立つ平行線、君の世界を愛するフリをすることで、ぼくはぼくじゃない立派な人間になれる気がしたんだ。

カーテンから差し込む光の色を今でも覚えている、立てかけられたムーのキャップも。爆炎みたいだ、まるで彩度に欠ける感謝祭。感傷がガラスの破片のように散り、刺さり、透明な血が出るけどそれはテキストに起こすだけ起こして、あとはさかなのように生きなくちゃ。ぼくら生きていたいのだけはお揃いだったよね。