会いにゆくわ汽車に乗って

今日は暗いブログを書いちゃったから明るいことだってちゃんと書こう、この一泊2日で京都に行っていた、京都は高校生の頃に修学旅行で行ったけどその時は「寺巡りとかダリイ〜」タイプの男子グループで回ることになっていて、京都は全スルーして大阪のUSJに直行したからほとんど街並みを見たことはなかった
知らない街の知らない空気の匂い、属してみるもそこの一員になりきれない身体との違和感はいつも心地がいい

京都の町並みはぼくが生まれた街に少し似ていた、そこにあるものがただそこにあることを許している感じ、あの街の穏やかさを少し思い出した
降り立ってからすぐさいあくななちゃんの個展に向かった(JUDY AND MARYのKYOTOを聴きながら)、ぜんぜん知らない街だったけれど、どこで会ったってななちゃんはいつでもななちゃんだった、安心する

京都には元々ただ遊びに行く予定だったんだけど、急に歌を歌うことになった
最近めっきり人前で歌うことが怖くなったぼくだったけど、少しでもななちゃんのためになるならと快諾した、なのでずっと重たいギターを抱えての移動だったから、すぐ腕が痛くなってしまった

京都に住んでいる友達の犬くんがぼくは好きだ
犬くんはよくわからない男だ、こんなにどこが好きなのかよくわからないけど好きになった友達は初めてだ
その日は犬くんと犬くんの彼女と3人でお昼を食べた、ローストポーク、とても美味しかった
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犬くん達とはその後わかれて、時間がまだ少しあったので鴨川を眺めながら公園でギターを弾いていた
鴨川を挟んで向かい側の街並みと歩く人々を眺めながら曲を作っていた
あんまり上手く作れなかったけど、空の色が淡くて、東京の空とはまたちょっと違うな〜なんてぼんやり考えていた
空はどこでも繋がっているのに、同じ空のようにはあまり感じない

相当寒くなってきたのでギターをしまい、コンビニで肉まんを買ってななちゃんの個展に戻って少し話をした後、大阪へ向かった

大阪には2年半ほど会っていない友達が住んでいた、彼女は昔「ぼくの右目が欲しい」と言っていた
1度会ったっきりで、もうずっと会っていなかったから、どんな顔をしていたかさえもうろ覚えだった
京都と大阪間は1時間とちょっとで移動できて、思ったよりは短かったけど、ギターを抱えての移動は思ったより疲れた

久しぶりにあった彼女は目を合わせてくれなかったけど、でもそもそもそういえば人と目を合わせるのが苦手な子だったなと思い出し、ニンマリと笑う顔が愛らしくて、少し安心した、元気そうだった

天王寺の串カツ屋で近況を話し合った、訊きたかったことを訊いた、言いたかったことを言った
彼女は昔よりもずっと落ち着いていて、美味しそうに串カツを頬張りながら、ニンマリと笑いながら話を聞いてくれた、この2年半で、彼女が話す以上に色々あったのだろうと少し想像させた
色々なことがあって、色々なことが変わって、でも変わらないものもあって、みんな生きていると思ったら涙がこみ上げてきた
ぼくは相変わらず今日も今日を今日らしく生き切ることができない、はやく人間になりたいし、神様にもなりたい、それを繰り返しているって、そんな言葉が口を衝いた

日が変わる前に京都に戻らなくてはならなかったので、その後、駅で別れた
改札の向こう側で、何度振り返ってもこっちを見てずっと微笑んでくれていた、姿が見えなくなるまで
彼女はとても優しい、うつむき気味で、頑なに、「わたしは優しくなんてない」と繰り返す彼女はとても優しい、元気そうで本当に嬉しかった

夜は京都の大きな会社に就職した、大学の同期の家に泊まった
彼は凄腕のベーシストで、今もサラリーマンのかたわら、著名なジャズベーシストの元で修練に励んでいる
仕事をしながら音楽を続けていくこと、目指すもの、大事なものの話をした
6年前は「テクニックが全て」だなんて言って超絶技巧ばかり練習していた彼が、今や自分の感性を磨くために美術館へ行ったり映画を観たりしているらしい
時は流れたし、そんな彼と、当時初心者で何にもわからなかったぼくがいま対等に音楽の話が出来ることが嬉しかった

次の日の朝、ギターとベースで軽くセッションをして、家を出た

犬くん達とパフェを食べに行く約束があったのだけれど、時間が少しあったので、カラオケでライブの練習をすることにした
あと粉雪を歌った

100種類くらいパフェがあるお店でパフェを食べた
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写真はマンゴーヨーグルトパフェ

その後はさいあくななちゃんの個展でライブだった
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緊張して喉が渇いて、声が掠れてしまったような気がしたけれど、どうだったろう
何回やってもライブは緊張する、性格的に向いてないんじゃないかと少し落ち込む
でも良いって言ってくれる人が居た、知らない街にも居たんだ、嬉しかった

ななちゃんの歌は相変わらずグッときた
歌もギターも決して上手いとは言い難いけど、話すように、叫ぶように、丁寧に強く伝えるように歌うんだ
身体の内側から溢れて止まらないような、そんな歌

ライブが終わったあと、犬くんと、東京から来ていたななちゃんファンと、ななちゃんのみんなでサイゼリヤでごはんを食べた
楽しかった
いつものメンツなのにみんなまるで共通の話題がなくて、好き勝手に話を始めて、ほんとにななちゃんだけで繋がったんだなあと思った

バスに乗って新幹線に乗って、山手線に乗って、家に着いた
とてもねむい
でも忘れたくないから曲を作った
サビだけできた
明日から続きを作る
出来るだけはやく
ぼくに足りないのは速さ、それも圧倒的に