薄明

今朝も街を溶かすような朝陽だった
自分にすら潜れなくなってしまった君は肺に穴が空いているんだ
夕暮れの属性は朝陽のそれとはまるで違うので、双子のトリックみたいです

君の言う話が本当か嘘かなんて
どちらでもよかったということを思い出したような気がした
ような気がした

朝陽と睡眠不足は相性がいい
余計なものばかりを選んで溶かしてくれる
それが彼(彼女)の単なる自己保存本能の結果だとしても

こんな尊さを多分に含んだ朝が出来るだけ多く君の元へ訪れますように
それはただそっちの方が美しいと思うからという理由だけれども
こんな気持ちを今日くらいは
優しさと呼ばせてください